水の巻 祓え祝詞等

水の巻 第三帖 (二七七)

  神の子は神としての自分養ふことも、つとめの一つであるぞ。取違ひすると大層な事になるから、気つけておくぞ。書かしてある御神名は御神体として祭りてもよく、お肌守としてもよいぞ、皆に多く分けてやれよ。御神名いくらでも書かすぞ、その用意しておいてくれよ、神急ぐぞ。祓え祝詞書き知らすぞ。

 かけまくもかしこき、いざなぎのおほかみ、つくしのひむかの、たちばなの おとのあはぎはらに、みそぎはらえたまふときになりませる、つきたつふなどのかみ、みちのなかちはのかみ、ときおかしのかみ、わつらひのうしのかみ、ちまたのかみ、あきくひのうしのかみ、おきさかるのかみ、おきつなぎさびこのかみ、おきつかひへらのかみ、へさかるのかみ、へつなぎさひこのかみ、へつかひへらのかみ、やそまがつひのかみ、おほまがつひのかみ、かむなほひのかみ、おほなほひのかみ、いづのめのかみ、そこつわたつみのかみ、そこつつのおのかみ、なかつわたつみのかみ、なかつつのおのみこと、うわつわたつみのかみ、うわつつのおのみこと、はらえと四はしらのかみたちともに、もろもろのまがこと、つみけがれをはらえたまへ、きよめたまへとまおすことを、きこしめせと、かしこみかしこみもまおす。次に「うけひ」の言葉しらすぞ

 ご三たいのおほかみさま、ご三たいのおほかみさま、ひつきのおほかみさま、くにとこたちのおほかみさま、とよくもぬのおほかみさま、つきのおほかみさま、すさなるのおほかみさま、あめのかみさま、かぜのかみさま、いわのかみさま、キのかみさま、かねのかみさま、ひのかみさま、ひのでのかみさま、りゅうぐうのおとひめさま、やほよろづのいきかみさま、ことにいすずにます、てんしょうこうだいじんぐうさま、とようけのおほかみさまをはじめたてまつり、よのなかのいきかみさま、うぶすなのおほかみさまのおんまへに、ひろきあつきごしゅごのほど、ありがたく、とうとく、おんれいもうしあげます。このたびのいわとひらきには、千万いやさかのおはたらき、ねがひあげます。あめつちのむた、いやさかに、さかへまさしめたまひ、せかいのありとあるしんみん、ひとひもはやく、かいしんいたしまして、おほかみさまのみむねにそひまつり、おほかみさまのみこころのまにまに、かみくに、じょうじゅのため、はたらきますよう、おまもりくださいませ、そのため、このたま、このみは、なにとぞ、いかようにでも、おつかひくださいませ、みむねのまにまに、まことのかみくにのみたみとして のつとめを、つとめさしていただくよう、むちうち、ごしゅごくださいませ、かむながらたまちはへませ、いやさかましませ。


 次に御先祖様の拝詞しらすぞ。

 此(これ)の祖霊宮(みたまや)に神鎮(かみしづ)まり坐(ま)す。遠津祖神(とおつみおやのかみ)、代々(よよ)の祖霊神達(おやかみたち)の御前(みまえ)、また親族家族(うからやから)の霊祖神(みたま)の御前(おんまえ)に謹(つつし)み敬(いやま)ひも白(まお)す。此(これ)の家内(うち)には諸々(もろもろ)の曲事(まがごと)、罪穢(つみけがれ)あらしめず、夜(よ)の護(まも)り、日(ひ)の守(まも)りに守(まも)り、幸(さち)はひ給(たま)ひ、まこと神国(かみくに)のみ民(たみ)としての義務(つとめ)を全(まつと)うせしめ給(たま)へ、夜(よ)の護(まも)り日(ひ)の守(まも)りに守(まも)り、捧(ささ)ぐるものの絶間無(たえまな)く、子孫(うみのこ)の弥栄継(いやさかつ)ぎに栄(さか)えしめ給(たま)へと畏(かしこ)み畏(かしこ)みも白(まお)す、惟神霊神幸(かむならがたまち)はへませ、惟神霊神幸(かむながらたまち)はへませ。


 一本の草でも干して貯へておけよと申してあろがな。 四月二十三日、三の一二のか三。



――― 守護神殿への拍手 ――――


水の巻 第一帖(二七五)

まつはらねば力現はれぬぞ、守護神殿は拍手四つ打ちておろがめよ、元の生神様には水がどうしてもいるのざぞ、火ばかりでは力出ぬのざぞ、わかりたか、曇りなく空は晴れたり。』



――― ここまで ――――